Station-2

駅舎建築

伊予鉄道 三津駅

エントランス夕景

この建物は昭和初期に建築された四国最古となる駅舎の建替です。設計に当っては歴史ある先代駅舎の
特徴ある建築様式と佇まい、及びこれより永きに渡って使用される耐久性が求められました。
繊細な造作を実現するために屋根と妻壁は全て木造とし、耐久性に対しては床から3.5mまでの壁を鉄筋
コンクリート造で対応した混構造としています。
長年に渡り人々の記憶に刻まれてきた駅であり、出来る限り先代の意匠を随所に生かす事と、形だけそ
れらしい張りぼてを作るのではなく、全てに本格的な作りで対応する事を心掛けています。

 

西面外観

白壁は漆喰仕上げ。色付き撥水剤仕上げのコンクリート打放し壁面は、杉小幅板による下見板張を型枠と
する手の混んだ手法を用い、そのまま小幅板の面状がコンクリートに映し出されています。
(故に木目模様のプリントの様なものではなく、一つとして同じでない本物の木材が持つ豊かな表情を見
せています。)

 

建替前の三津駅 駅名板
旧駅舎解体時の廃材も、再利用可
能なものは一部新駅舎に使用されて
います。
駅名板は旧看板に用いられていた書体がそのまま採用
されています。

 

エントランス上部ステンドグラス

ステンドグラスは強度上1枚ガラスですが、本式のジョイントと同じ鉛線を両面に配し、立体感のある表面に
なっています。図案は三津浜の花火をモチーフとされています。

 

東面外観

 

待合室ホール西向 待合室ホール東向

 

待合室ホールより三津交流館(テナント)を見る

屋根は木造トラス架構を採用し、室内は柱の無い大空間となっています。トラス架構は天井内に隠れて見
えませんが、三津交流館(テナント施工)の写真右上部の上り天井(高窓部分)にその構造の一部が現れ
ています。

 

西面外観夕景

コンクリート壁上部と屋根との間にガラス連窓を入れる事で、夜間は内部の照明により屋根が浮遊する様
なイメージとなっており、同時に建物自体が夜間のアイコンとなる効果となっています。

 

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